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リップの味



「まぁ、とりあえず話を戻すわ。
なんていうかだなぁ…酔ってたって感じ?」
「あんたら大人って奴は!!」
「悪かったって!!」

はぁ。ショックから立ち直れそうにない。
今度侘びにちょっとお高いBBクリーム買ってもらおう。

「でもなんで女装癖男と会おうなんて言ってるんすか?505号室さんは。」

「そいつ、小説家らしいんだよな。俺も良く知らねえけど」
「え、まじっすか」
「おー。結構売れてるらしいぞ」
「てかなんであんた一応教師なのにそこそこ売れっ子の小説家知らないんすか?」
「あんまり官能小説興味ねーんだもん」


「・・・は?官能小説?」
「あ、やべ。言っちゃった」

もう急にいろいろな情報が頭に入ってきたせいで訳が分からなくなってきた。
何?同じマンションに売れっ子の官能小説作家が住んでんの?すげぇ。てか、こえぇ。

「でも俺もちょっと興味あるから行きてぇっす。」
「お、まじか。良かったー。断られたらあいつになんて言おうかと思ったよ。」

「でも小説と俺の女装とどう関係があるんすか?」

「なんかそいつの作品のキャラで女装してるやつがいるらしいんだけどそいつ自身に女装の知識がねぇから色々聞きたいんだとよ」
「なるほど・・・まぁいいっすけど。
いつなんすか?会える日って」
「明日」

「・・・はぁ」
「いやいや悪い悪いすっかりお前に言うの忘れててよ」
「もういいっすよ。どうせ俺明日暇なんで」
「あれ?バイトは?」
「明日は、休みっす。学校終わってからでいいんすよね?」
「おう、もちろん。休めなんていわねぇしどうせ俺も明日仕事だしな。」
「それもそうっすよね」

一瞬この人の職業を忘れていたことは秘密だ。








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あきゅろす。
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