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Welcome
I am being suspected by them.



前田さんが話し相手になってくれていて気がつかなかったけど私ってまだまだ信用ならないんだ…。
さっき迷彩のお兄さんが赤いお兄さんに言った言葉がなんとなくむねに突き刺さる。
しょうがないとは思っていてもあんなふうにはっきりとした拒絶をされるとやっぱり悲しい。




「さすけー、腹が減った!」

「我慢してよ。」

「むー」

「俺も腹減った。」

「そういえばそうだな。おい小十郎、何かないのか?」

「申し訳ありません。」

「おい、オクラならヘブッ!」

「死ね。」

「…。」

「はあ、僕も少し空腹かな。」




そういえば夕食の時間を3時間も過ぎている。
私もお腹空いたなー。


『あ、何か食べますか?何か作ります。』

「いや、そんな!迷惑はかけられまい!」

「うん、毒が入ってたら嫌だし。」

「佐助!」

「だってそうでしょう。」




毒!?
毒なんて怖くて扱えませんよ!




『いれませんよ、毒なんて恐ろしいもの。』

「…信じられないね。」

『あ、うー、では…監視しててもいいですよ。』

「本当?ちょっとでも怪しかったら殺すからね。」

『え、こ、殺されちゃうんですかあ!?そ、それは嫌です。』

「…正直だね。」

『ていうか、私もお腹が空いたので一緒に作っちゃいます。自分の食べるものに毒は入れません。』

「…とりあえず見学させてもらいますか。」

「俺もいく。政宗様、しばしおまちを。」

「Wait!未来の料理は見てみたい!」

『き、期待はしないでくださいよ。適当にスパゲッティーとかで済ませちゃうんで…。』



すぱげてい、とは何でござるか?と赤いお兄さんが叫んでいるのが聞こえる。
「すぱげてい」ではなく「スパゲッティ」ですよ、お兄さん。

厨房に入ってスパゲッティの麺を多めに出してトマトとひき肉などを準備する。



『えっと、この赤いのがトマトといってですね、うーん、野菜です。』

「野菜、なのか。こんな赤い…」

『あ、はい。お野菜です。ちょっと酸味があって…まあおいしいですよ。』

「ほー。」

『で、ひき肉です。牛肉と豚肉の合びきです。』

「肉、か。」

『これでボロネーゼソースにします。おいしいんですよ。』





材料を切ったり色々してなべでグツグツと煮ていく。その間スパゲッティーをゆでる。最後に調味料を入れて味を調えたら完成。
お皿を出して盛り付け、ナイフとフォーク、多分使い方が解らないだろうからお箸もつけておこう。




『できましたよ。えっと、これを運ぶのを手伝っていただいてもよろしいでしょうか…?』

「OK、なかなかいいにおいじゃねえか!」

『皆さんのお口に合うといいのですけれども…。』



眼帯のお兄さん(政宗様?)はよく料理したりするのだろうか。とっても興味深く見学してましたけど…おかげで恥ずかしかった。
まあ家庭科の成績は良い方だったからこれくらいできて当たり前なんだけどね。
ちらりと迷彩のお兄さん(佐助?さん)を見たら少し警戒を解いてくれたのかにこ、と笑ってくれた。


「ま、「とまと」っていうのがなんかあやしかったけど後は何ともなかったから合格かな。」

『あ、ありがとうございます…。』


殺されなくてよかった…!!ていうかまだ武装解除しないって事はまだまだ信用ならないってことだよね…。
なんか、嫌だ。


「調理するの手伝いもしねえで悪かったな。」


ぽんぽん、と頭をなでてくれた893のお兄さん(小十郎?さん)。
なんかお父さんみたい…!!


『いえいえ、お兄さん方も不安だったんでしょうし…お気になさらないでください。』

「「「…おにいさんがた?」」」

『え、今変な事いいました、私?』

「いや、別に。」

『…?』

「自己紹介が遅れたな、俺は奥州筆頭、伊達政宗だ!」

『あ、こちらこそ失礼しました。苗字名前です。』

「政宗様の家臣、片倉小十郎景綱だ。」

「俺様は真田忍隊隊長の猿飛佐助。よろしくね、名前ちゃん。」

『よ、よろしくおねがいします。』





なんかなかよくなった?



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