Welcome
where is here? and what time is it now?
一行をリビングに連れて行った。
その後とりあえずベビードールを着た。(だっていつもこの格好なんだもん!一人暮らしをなめるな!)
『……あ、ありがとうございました。』
「おう。」
さっきの優しいお兄さんに青い陣羽織を返した。
のはいいんだけど、それから何を話したらいいのか全く検討がつかない。
赤いお兄さんも復活したようだけど私と目が合った瞬間真っ赤になって逸らされた。わ、私だって恥ずかしいですよ!
「ところで、」
なんとなく重々しい雰囲気の中赤いお兄さんを介抱していた迷彩服のお兄さんが口を開いた。
オレンジ色の綺麗な髪の色をしていて顔にはペイントが施されている。まるでサバイバルゲームに参戦中のようだ。(サバイバルゲームに参戦したことないけど)
みんなの視線が一気に迷彩のお兄さんにむく。
迷彩のお兄さんの視線は私に向いている。鋭く探るような目で睨み付けられてなんだか気持ち悪い。
口元はにっこり笑ってるのに全然笑ってない。空気が全部凍ってるみたい。
「ここはどこなのか、教えてもらえるかな?」
『…あ、う、わ、私の、家です。』
「へえ、それにしては変なものばっかりあるみたいだけど。」
『あの、祖母から…貰い受けて…えっと、いろいろ、下宿生のお土産とか…ありますけど?』
下宿生が自宅に帰ったりすると必ず特産物やお土産などを送ってきてくれていたらしい。
なんかカラフルな飾りとか、へんてこりんな仮面とかいかにも民族!みたいな物とか綺麗な写真とか…。
迷彩のお兄さんだけでなく左のほっぺに傷があるオールバックの…その…893っぽいお兄さんや真ん中わけのへんな緑の細長いのをかぶってるお兄さんやゆるくウェーブがかかっている白髪(銀髪って言うのかな?)のお兄さん達もものすごい勢いで私をにらみつけている。
こ、怖い。なんか冷や汗というか脂汗というか、何も悪いことしてないのに裁判で一人立たされてるみたいだ。(立たされたことないけど!)
喉がカラカラでなんか深呼吸もできないし、なんか怖い怖い怖い怖い!
「そういうことじゃなくて、風呂場の変な紐みたいなのとか、この天井についてる明るいの、とか。」
『あ…あう…シャワーとか、電灯のこ、ことですか…?』
シャワーとは何でござる?赤いお兄さんが眼帯の優しいお兄さんに聞いていた。眼帯の優しいお兄さんは知らねー、と即答した。
シャワーを知らないとか、え、何この人達?狼少年か何かですか?
聞きなれない単語が出てきた途端睨んでいるお兄さん達には「眉間にしわ」のオプションがついていた。
怖いです、ってば!
次は銀髪の天パのお兄さんが口を開いた。
「君、どこの軍の子?」
『ぐ、ぐん?』
「とぼけないでほしいな。ここにいる誰とも面識がないってことは織田?上杉?」
『は、はい?』
「いろいろあるだろう。浅井とか島津とか…。」
ついには893のお兄さん(失礼)までがイライラしながら問うてくる。
この人達はアメリカ軍とかっていう話をしてるのかな?
『どこですか…!?それ?』
「まさかザビー教?」
「違う、我はそのような小娘見ておらん。」
「元就、お前…まだ…」
「ち、違うわ、馬鹿者!」
「ばっ、俺は馬鹿じゃねえ。お前こそそのオクラどうにかしろよ!」
「うるさい、黙れ!姫若子めが!」
「この野郎!」
オクラ(早速採用)をかぶってるお兄さんと銀髪の紫の眼帯のお兄さんが口論に発展している。
仲良いのかな…?
「いつきんとこにもいなかったな、小十郎。」
「はい、政宗様。」
893のお兄さんは小十郎さんていうのか。で、優しい眼帯のお兄さんが政宗さん…?
「松永軍か?」
『ま、まつなが?誰ですか、そのひと?』
「悪趣味な物があったから明智のところではないのか?」
「いや、こんな明るくてかわいらしい子雇わないんじゃねーの?」
「「「…確かに。」」」
『わ、わ、私ごくごく平凡な一般的な日本国民ですよ?』
裕福で恵まれた家庭だけど。たぶん常識人だと思う、というか思いたい。
「ここは日ノ本でござるか?」
『ひのもと?…ま、まあ、日本ですよ。』
「では、甲斐はどこでござろうか?」
『…かい?え、かいってなんですか?』
「甲斐、とは地名にござるよ。御館様が収める武田の国にござる!」
『…たけだ…?…ああ、中部地方の、長野県ですっけ?山梨県ですっけ?』
「な、ながのけん?やまなしけん?」
『古典で勉強したはずなんですけど…旧国名ですよね?』
「旧?古いってこと?ちょ、旦那、危ないからこの女の子には近づかないで。」
「佐助、女子に対して失礼でござるよ!それに、この者は何も知らないようでござる!」
なんかこっちも口論を始めちゃったよ…?
「Hey、girl。奥州はどこだ?」
『奥州…?東北ですよね、あの東北地方ですよね?あ、義経でやってましたよ、奥州平泉!』
タ●キーがやってたんだよね。
大河ドラマはよく見るほうだから割と覚えてるよ。奥州平泉!藤原家が栄えてたところでしょ?
「平泉を知ってんのか?」
「義経、とは源氏の、あの義経か?」
『え、は、はい。源義経っていったら鎌倉時代だから…約800年前ですか?』
「800年?」
「Are you crazy?」
『わ、私は馬鹿じゃないですよ!イイ国つくろう鎌倉幕府、1192年でしょ?』
「異国語がわかるのか!?」
「ん…1192年?鎌倉時代はだいたい400年から450年前の話だろう?」
え、400年前…ってことは1600年くらい?
1600年ってなんか区切りのいい年になんかあったような…関が原?関が原合戦?
戦国時代の終わりの頃…それからちょっと前くらいってことは戦国時代真っ只中じゃないの!?
『え、戦国時代…?じゃ、じゃあ、甲斐の武田っていったら武田信玄公のこと?軍って、織田は織田信長?上杉っていったら謙信公?』
「おーおー、よく知ってるな、お嬢ちゃん!」
『だって歴史の教科書に載ってる…え、ええ?』
「歴史?800年前?400年前?…えーっと、つまり、ここは400年後の世界ってことか!!?」
『え、あ、はい、単純計算でいくとそうなります、だいたい…え、えええ?』
こんにちは過去の人!
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