… 佐助 風邪を引いた。 いや俺様じゃないよ。恋人の名前ちゃんが、ね。 今、俺様の布団の中で寝込んでるんだけど、これはまずいよ。 ほっぺは真っ赤だし涙目だし呼吸は乱れてるし、いつもよりわがままだし。 普段とってもいい子だからなかなかわがままを言ってくれないんだけど、わがままを言ったら言ったでこれまたかわいいお願いなんだよなぁ…。 『さすけぇ、お水ちょーだい…?』 「はいはーい、今行きますよー!お薬も持っていくから。」 『…ケホケホ、ありがと。』 不謹慎ながらもいつもより頼りにされてる感がにじみ出てて物凄く嬉しいんですけど! 力なく二ヘラと微笑む名前ちゃんはなんかこう、心臓が鷲掴みにされているような感じで…そう、名前ちゃんに初めて会ったあの感じに似てる! ああ、恋してる…前田の旦那に言ったらうるさいだろうな…へへへ…。 『さすけ、どうしたの?』 「なんでもないよ〜へへへ。」 『楽しそうだね、ッシュン。』 「おっと、ごめんごめん、風邪薬ー!」 風邪薬はたしか、棚においておいたはず…俺様、最近は風邪とか引いてないから全然使ってないけど大丈夫かな。(いや、お馬鹿さんなわけではないよ!!) あったあった!あれ、こんな容器だったっけ?…ま、いっか。 「名前ちゃん、起きられる?」 『うん、だいじょぶだよ。』 「無理しないでね。はい、お薬。」 『ありがとう。』 「どういたしましてー!」 ゴクン、と白い喉が音を立てる。 大丈夫、病人にはさすがに手を出したりしないぜ、俺様偉い! 薬を飲んだ後、布団に収まり寝始めた。 *** 名前ちゃんが寝始めてから30分くらい経っただろうか。 俺様は寝室で適当に雑誌を読んだりゲームをしたりしていた。 名前ちゃんの容態は悪化しているような気がする。これは気のせいではなさそうだ。 先ほどよりも息が荒いし火照りはとまっていないようだし。 「名前ちゃん、起きたの?」 『あ、さすけぇ…あつい…』 「あつい?…熱あがっちゃったかなー?」 名前ちゃんの額に手のひらを乗せてみると確かにあつい。 それだけでなく、 『ぁ…さすけ、…なんか、変っ』 「へ?」 『さすけの手、気持ちイイ…』 なんか名前ちゃんが積極的なんですけど…! ん…!!?風邪のせいじゃないよね、お酒も飲ませていないはず………まさか、クスリ? 先ほど風邪薬だとおもって取り出したクスリの容器をみてみると底には達筆な字で [俺からの誕生日祝いだ、とっておけ!byM.D] 伊達の旦那ぁああああ!!? そういえば媚薬がどうとか、って… ビ ヤ ク !? 『さすけ、くるしいよぅ…なんかむずむずする。』 「名前ちゃん…」 『…ね、ちゅーしてもいい?』 「…っえ、あ、あーうん、別にいいけど、止められなくなると思うよ?」 『いいの。』 名前ちゃん, 積極的過ぎるよ、これはまずいよ。 だって俺様…息子が…やべええええええ!! 耐えろ俺様、がんばれ俺様、やれば出来る!ヤれば…違う違う! 『ふん、ん、ちゅっ、む、』 「…ん、」 こっそり目を開けてみてるけど名前ちゃん色っぽい。 しかも超積極的だし。 これって本気でやばいんじゃないの? 『さす、け…んっ、』 「……っ。」 『ちゅっ、ね、佐助、ベッドに寝てみて?』 「…は、い?」 『市ちゃんからきいたんだけどね、きじょーい、って気持ち良いんだって。』 え、織田さん何言っちゃってんのー!!? 普段の名前ちゃんならそういう話ってわかった途端に顔真っ赤にして耳押さえるのに! 女子同士の会話ってこええ。 『さすけ、おねがい?』 「…うっ、…わ、わかりました。」 *** 『あっ、ああっ、ん、ふあ』 「…くっ、」 『ね、佐助え、きもちい?』 「きもちーよ。」 『あ、ぁ、さ、すけの腹筋、割れてるね、んっ、』 「そ、だね。」 名前ちゃんは自分の気持ちいい部分を探して腰を動かしてるけどなかなかみつからないらしい。 いつも下で泣きそうな顔してるからなぁ。 ちょっと、手伝ってあげようかな。 「名前ちゃんの好きなとこはたしか、この辺だよ。」 『…へっ?…あああああああああっ』 「ね?」 『ひゃう、あ、あんっ』 「そろそろイきたいんだけどなー。代わってもらっていいかな、上と下?」 『さっさすけ、あっ、やっ、私もっ、い、いきたいっ』 「りょーかいっ」 まずは一気に起き上がって対面座位になる。名前ちゃんは理性がすこし戻ってきたのか俺様の顔を見た途端ボボっと赤くなった。 首筋に顔をうずめて荒い息を繰り返している名前ちゃんはすこし辛そうだけどまたそれが色っぽい。 『あっ、』 「これでいつも通りのポジション、ね?」 『…うん…。』 「どしたの?しおらしくなっちゃって。積極的なほうが好きだけどなー。」 『えっ…あっ、あう、んんっ』 「ちょっと速くするよー。」 『ひゃう、あああああっあっ』 目を強く瞑って下唇をかんでる名前ちゃんはとってもかわいい。 ただ、傷が残っちゃうから口をゆるくしてあげないとね。 優しく頬に手を這わせて口付ける。 『きゃああああっ、あっやっ、さすけええ!!』 「名前ちゃん、」 『あ、さ、さすけっ、ひゃあああああっ』 「名前ちゃん大好きー。」 『あああっ、さすけ、さすけっ!』 「…そろそろやばいっ」 『ああああああああああああああああああ!!』 *** 名前ちゃんはベッドの中だ。 毛布を鼻までかぶって眉を八にしながら俺様を上目遣いにみている。(きっと本人はにらんでるつもりなんだろうな…) 『さすけ、さいあく』 「ごめんって、名前ちゃん。」 『あーあ、腰痛いなー、のど痛いなー。』 「林檎でうさぎさんつくってあげたから許してよー」 『っくしゅん、』 ほらほら、また悪化しちゃうから安静にしてなきゃ駄目だよー。 ま、安静にさせなかったの俺様だけどね。 もー拗ねちゃってかわいいなー。 「ねーごめんってー」 『けほ、だってさすけ、はさぁ』 「え、俺様?」 『やっぱりなんでもないっ!』 (だって、佐助に気持ちよくなってほしかった、なんて言えないもん!) [*前へ] [戻る] |