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ざわついた空間に怒鳴り声が響いた。全員が一斉にそちらに顔を向ける。


四天宝寺の遠山金太郎。




両手いっぱいに食べ物を抱えた遠山が小鳥遊に詰め寄った。




「姉ちゃん嘘つきなんやろ?ワイ知ってんで」



「き、金太郎くん・・・・・・ッ」



「嘘つきに名前呼ばれたないわ!!苗字にしたって!!」



小鳥遊や彼女の味方のレギュラーたちだけでなく、四天宝寺のメンバーも全員彼の言動に驚いていた。



遠山は苗字で呼ばれることが嫌い。だから初対面でも名前を呼んでもらうときはかならず名前のほう。



自分から名前で呼んでもらうことを拒絶したのはこれが初めてだった。






「姉ちゃんみたいなモンを日吉が虐めるわけないやん!


それに日吉はテニスの仲間や!姉ちゃんはテニスやらへんのやろ?だったらワイは知らんヤツより知ってるヤツについていくで!!」



それだけ言い切って部屋を飛び出した遠山。慌てて白石と小春、ユウジがおいかける。













「・・・ちゅーことや。俺ら全員、日吉の味方」



「アンタらよくそんな女に近づいてられますね。同じ空間に居るってだけで鳥肌がとまらんわ」




財前が腕を抱えて寒がる真似をする。・・・いや、真似じゃないかもしれない。



その動作に小鳥遊は顔を真っ赤にさせて立ち上がった。



「ひどいよお皆そろって!!美鈴が何したっていうのお!?」




「それはアンタが一番よく知ってるんとちゃう?」



再び泣き崩れる小鳥遊に向かって謙也は言う。侑士の叫んだ声がしたが謙也はさっさと部屋をあとにしてしまった。




石田と千歳も自分の昼食を持って部屋を出る。










「ホンマ自分最低やな。日吉を踏み台にして姫になった気分はどうや。さぞいい気分やろ。


でも自分のせいで傷ついてるヤツがどれだけいる思っとるんや。少しは考えて行動したほうがええ」





財前は小鳥遊を睨みつけたまま口早にそう述べる。そして昼食を持って立ち去ろうとした。



が、ドアに向かう足が突然止まる。


何だろうか、と全員が彼を凝視する。





「そうそう、・・・・・・・・・もう真実に気づいてる人が居ると思うんやけど・・・早めに言ったほうがええっすわ。




奏さんたちの怒りに触れん前に」















ドアが閉まった。







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あきゅろす。
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