■ 学校集合時間6時半。 いつもと変わらない時間に理御は起きた。 隣を見ればまだ寝息を立てている奏。 体を軽く揺すって起こす。 「起きてください、奏」 「・・・・・・あ、・・・おはよう」 ゆっくりと上半身を起こした奏は、眠そうに目をごしごしと擦る。 理御が次に向かったのは隣部屋。 來斗の寝ている個室だ。 躊躇無く扉を開くと予想通り、彼はまだ布団に包まり横になっていた。 理御は部屋に足を踏み入れると閉まっているカーテンをシャッと開ける。 眩しい朝日が來斗の体を照らす。 彼は唸ると日光とは反対側に寝返りをうった。 「起きてください來斗、お尻を抓りますよ?」 來斗の耳元で怪しく囁く。 一瞬で來斗は飛び起きた。 「・・・朝からやめろよ」 「貴方が早く起きればいいだけの話です。 ほら支度してください」 ジャージを押し付け部屋を出て行く理御はまるで母親だった。 來斗は寝癖のついた髪をがしがしと掻くと布団から出る。 「奏、朝ご飯は何がいいですか」 「・・・なんでも」 着替えを済ませた奏は台所へ向かい、朝食作りの手伝いをする。 理御が卵を焼き始めたので、彼女は野菜を取り出して洗う。 朝食の準備がすべて整った頃、來斗が部屋から出てきた。 食卓を囲んでご飯にありつく。 これを食べたら出発だ。 [次へ#] [戻る] |