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日吉と滝の2人を見つけると荷物を渡し、帰路につく。
夕方といっても今は夏。然程暗くはない。
夕ご飯の買い物を済ませてアパートに戻る。
「明日からの合宿中に、作戦を決行する」
ご飯を食べながら來斗がこう切り出す。
「ええ」
「いつでも」
奏も理御も「もう準備は整っている」とでも告げるような目をしていた。
來斗はそれを確認し箸を進めた。
「そういえば」
理御が呟く。
「四天宝寺のマネージャーって、誰なんでしょう」
「このゲームに参加する前もらったリストには載ってなかったわよね。マネージャー」
奏が傍にあった鞄をゴソゴソと漁りながら言う。
手に取って見ても、四天宝寺のページにはマネージャー欄は空白になっている。
奏が考えたのは2つの仮説。
「向こう側の新しい駒か、普通のニンゲン」
「どっちか一つですよね」
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「・・・何の用だ?」
ゲーム盤の外の世界。
盤を観劇していたタナトスの前に一人の人物が現れる。
ソレはタナトスの座っている正面に立って一言告げた。
「***は******の味方だから」
言った後、ソレは踵を返して黄金蝶の群れになって消えた。
残ったタナトスは、ソレの告げた言葉に驚き一瞬放心していた。
だが、すぐに不気味に微笑んだ。
「へえ、・・・やっぱアンタはルナの味方か。
新しいマネージャーって駒も、・・・アンタが用意したんだろ?」
誰もいない空間に向かって話し続けるタナトス。
「まあでも、最後に勝つのは俺なんだから。
アンタもついでに屈服させてやるよ」
クククッ、と喉を鳴らして笑うと再び物語を見始めた。
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3人はもう床についていた。
來斗は起きているらしく、個室の明かりが点いている。
奏は寝返りを打ち、理御の寝ている方向に体を向けた。
彼女はすでに眠りについている。
「明日からよ。・・・絶対に後悔させてやるわ」
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