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「な、・・・ッ」


全員が驚いて、呆けている。


奏の持っているタオルを皆、凝視していた。






「なんて事無い、ただの手品の一種よ。


それもまだまだ下級の・・・ね」




タオルを椅子に掛けると荷物を手にしてドアに向かった奏。

誰も止める事をしなかった。



彼女が出て行ってもずっと動かなかった。





それはそうだ。


目の前であんな高度な手品、魔法を見せられたのだから。




燃えるタオル



屑となった布切れ



何事も無かったかのように戻ったタオル





そして、いとも簡単にソレをやってのけた奏。




炎が上がっているときの奏の顔は、橙が灯り、怪しく見えた。


口元が弧を描き、目元が綻んでいた。




















「分かったか?奏は今度はアレをお前らでやるかも知んねぇぞ」



「來斗、彼女はやりませんよ」





來斗と理御も荷物を持って部室を後にしようとする。


各々、日吉と滝の荷物も手に提げた。





「まあ、早いうちに真実に気づいちまったほうが早いっつーこった」



來斗が最期に忠告を下し、2人は扉を閉めた。







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