■ 「ごめんねぇ〜www遅れちゃったぁ〜・・・・・・ 皆、どうしたの〜?」 張り詰めた空間にはさすがに気づいたようで、小鳥遊は扉の一番近くに居た忍足に聞いた。 忍足は黙ったままだ。 小鳥遊はふと視線を移すと奏と來斗が居ることに気づいた。 「あっ!來斗くんだぁwwwどうしたの?」 またもや奏を無視して來斗に近づく。 來斗は少し後退してしまった。 「跡部にテニス部に誘われたんだ」 だが彼はすぐに笑顔で小鳥遊に自ら歩み寄った。 (かわいそうな役ね、ウィル) 奏は笑い声を漏らす。 そして日吉のロッカーに向き合うと名前が書かれたシールにそっと指先で触れてみる。 表面が剥げ、裏地がむきだしになりかけている。 (これは、・・・・・・絶対にこの中のやつらにやられたのよね・・・・・・。 それより・・・日吉は何があってこんな目にあったの?) 思えば疑問点が多すぎる。 日吉は何をきっかけの暴行を受け始めたのか。 小鳥遊はなぜ日吉を嵌めたのか。 どうして仲間たちまで彼を裏切ったのか。 「奏、聞いてるか」 來斗が手を顔の前で叩いた。 その音で奏はハッとした。 「う、うん!何!」 「今レギュラーたちが自己紹介してくれてるんだよ。覚えろって」 「あいさーッ」 今は自然にレギュラーたちの話を聞いていたほうがいい。 説明が終ったら日吉のことを聞こう。 奏はそう考えた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |