それが恋だから それは変なのかA 「待ってよ冷たいなー!彼ってばさ、俺がお薦め文書いた作家の本を注文してくれちゃって」 「へー。だから?」 人当たりの良いこいつには珍しく、随分ぞんざいな態度だ。 「だから?んー…そう言われると、なんだろな?」 「………」 確かに、それが何か?…だよな。周りから見れば。 でも嬉しいもんは嬉しいんだし。 しょうがないし。 「……おまえさ」 「ほえ?」 「惚れてんの?そいつに」 「はいぃ!?」 とんでもない事を至極真面目に聞かれ、狼狽えて1オクターブ高い大声を出してしまった。 「んな訳あるかいぃ!」 そしてなんとなく流れで、ツッコミの要領で亮平の胸に裏拳を入れる。 「ぐほっ!」 思ったより力が入ってたみたいで、ボケ役は軽く噎せて咳をした。 「げほっ…だってそうだろ。毎日毎日、昨日は来た今日は来ない明日は来るかなーって、まるっきり片想いじゃん」 …興味無さそうだったくせに、やけに突っ込んでくるな。 答えに困るっつの! [*back][next#] [戻る] |