それが恋だから
犯罪ですか@
それは、突然の出来事だった。
「取り寄せしたいんだけど」
彼の声は、想像してた通り…いや、それよりも低くて甘くて、かっこよかった。
「カバーお掛けしますか?」「レシートお使いですか?」の問いかけにも、頷くか首を振るかのどっちかだから、声が聞けたのは初めてだ。
…すっごい感動。
出来れば録音したかった。
「………」
「おい」
「あ!すすすみません、失礼致しました。こちらにごぎ…っご記入お願いしますっ」
俺は慌ててレジ横の注文用紙と黒のボールペンを、震える手でカウンターに差し出した。
彼は不審げに俺を見ていた視線を外して、ちょっと背を屈めて紙にすらすらと文字を書き込んでいく。
…ヤバかった。
つい妄想してしまった。
変な奴だと思われただろうか?
目の前には、彼の背が高いせいで普段は見られない旋毛がある。
なんか可愛い。
なんとなく…押してみたい。
ていうか、凄くいい匂いがするんですけど…。
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