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君だけでいい


今日はレッスン。

とはいっても、週一におなじみのピアノのレッスン、ではなく。

目の前に対峙している講師は創成No.1ヤンキー、そして俺の…彼氏?

付き合いたての彼氏と二人きりで…これは一応デートなのだろうか?

しかし端から見たら、タイマン勝負に見えるだろう。それか、至って平凡な俺の外見からして、狩られる直前か?


「反応は良いから、そっから流れをつけてこーね」


ザッ、とこちらに一歩踏み出す。


「ちょ!待って下さい」


展開にはイマイチついていけないが、一応これだけは言っておかねば。


「ん?」


「出来る限り、手は使いたくないんですが」

「ん?ああ、キレーな手してるしね。殴る感触が嫌って奴もいるしなぁ」


そうではないんだけど。
出来ればペダルを踏む両足も使いたくないんだけど。

…それって全部ダメじゃん!!


「いえ。実は小さい頃からピアノを…」


「ピアノ?あーアレ、なんか眠くなるよね。おっけ、そんじゃ足技上等ってことで」

「はぁ…」


軽く流されてしまった。

まぁ足なら、指をやられるよりはなんとかなるか…な?




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あきゅろす。
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