君だけでいい
◇
そして着いたのは…
――潰れて放置されたままになっている、スクラップ工場跡地。
「あのー…」
こんな広くて人気のない場所で、何を始めようというのか?
「俺とつき合うって事は」
仁志さんは、低く積まれた鉄材の上に腰かけた。
「危ないからねー。実際ボコられたりレイプされちゃった女もいるし」
「えっ!」
物騒な発言とは裏腹に、パーカーのポケットからのんびりとした仕草で煙草を取り出して、銀のジッポで火をつける。
「その点マサキはさ、素質ありそうだから」
「はあ…?」
話が見えないんですが。
「襲われても対抗できるように、鍛えておこー」
にっこり笑顔。
「え…えええええ!?」
これは予想外だった。
俺もついに…ヤンキーデビュー!?
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