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君だけでいい


「それとも今日やるはずだった予定、代わりに付き合ってくれる?」


仁志さんは唐突に立ち止まり、もの凄い色気を含んだ笑顔で振り向いた。


「へっ?あ、いや!心の準備がっ!!」


「なんの準備?」


悪人っぽく、片眉と唇の端を上げて俺をニヤニヤと見つめる。

完全に心の中読まれてるし…


「いえ、あのその…」


「冗ー談。真っ赤になっちゃって、カワイイ。今どき女でも無いよー?その反応」


うう…人が悪い!


恥ずかしいし返す言葉がなくて、目を見られない。


「じゃ、特訓でもしますかー」

「へ?」


本当に本気じゃなかったらしく、あっさりと引き下がった仁志さんは、今度は目的を持った足取りで前を歩き出した。




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あきゅろす。
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