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君だけでいい


――どのみち、まともな選択肢はなさそうだ。


「嫌だ」


投げやりな気分だった。

もういい。
なんかイライラするし、とにかく早く終わらせてくれ。


「何だとてめぇ!」


――来る!

そう思った瞬間、右の拳が飛んできた。

軌道を見切って、襟を掴まれていた手を振り払って上半身を素早く屈める。


ゴッ!と鈍い音が響いた。


「ぐっ…いてえぇ!」


殴りかかってきた男は、壁にしたたか打ちつけた右手を押さえて、しゃがみ込んだ。


うわ…痛そうだ。


でも、悠長にそんな事を考えている暇はなかった。


「…の野郎ぉ!!」


少し離れていた残り3人が、怒号と共に一斉に俺に向かってくる。


さすがにこれは…駄目かもしれない。





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あきゅろす。
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