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君だけでいい


――仁志 拓海だ。


清純そうで、綺麗な黒髪をした同年代くらいの女の子を隣に連れて歩いていた。そして、角を曲がって向かった先にあるのは…ホテル街。


俺は思わず裏通りの奥に逃げ込んでしまった。


「ふーん、そっか」


いるんじゃん、彼女。
しかも日曜の昼間っからラブホって。

なんか…悩んで損した。
俺の貴重な数日間を返せ!


「ちぃーす」


しばらくそうして壁に貼り付いていたら、軽薄そうな声とともに横から肩を叩かれる。


「あ?」


イライラした気分のままに、刺々しい声が口をついて出てしまった。

振り向くと、いかにも悪っそーな、下品なスウェット上下の格好の男…と、その後ろにしゃがみこんでるお仲間3人。


「あん?なんだその態度はぁ」


…はぁ、そういえばここは大通りから死角だった。
哲史に一人で歩くなって言われたっけな。





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あきゅろす。
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