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君だけでいい


「したら、それまで興味なさそーにうたた寝してた仁志サンが、ウキウキして起き出してきちゃって」

「…強いんだよね?」

「そりゃもう誰も勝てねーよ!パンチも蹴りも速くて見えねーの!陽介もよく食らいついてたけどなぁ。連戦の疲れがなけりゃーもう少しいけたと思うんだけど…」


哲史はいつの間にか、興奮した子供のように早口になっている。


「お前、なんか楽しそうだぞ?」

「だってすっげかったんだってマジで!」


ああ…頼みのてっしーまでこんな調子じゃこの先が思いやられる、と俯いてこめかみを押さえていると。


「でも、それから俺ら仁志さんと結構平和にやってるよー」


哲史がサラッと事も無げに言った。

なに?何故?
そんな事があったのに?


「へ?」

「なんか一回やり合ったら興味が失せたみたいね。まぁ陽介はいつか殺すとかいって嫌ってるけどねー」


これは喜んでいいのか?
ヤンキーの生態ってよくわからない。

とその時、頭上からいきなり声が降ってきた。


「呼んだー?」





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あきゅろす。
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