[携帯モード] [URL送信]

君だけでいい
真相

キーンコーン…

昼休み開始を告げるチャイムが鳴り響く。

哲史に弁当を食べさせながら久々に話し込んでいるうちに、あっという間に小一時間経ってしまった。

陽介はちゃんと昼飯を買って食べるだろうか?
奴は俺が食わせなければ、面倒くさがって食事をあまり摂らない。
あの細マッチョは、俺の長年の努力の賜物だ。
喧嘩で鍛えてるせいもあるけど。


――そうだ。
陽介といえば、聞きたいことがあったんだ。


「そういえばてっしー」

「ん?」


弁当をうめーうめー言ってキレイに食べ終え、暖かいお茶を両手で握り込んで、おじいちゃんのようにまったり眠そうにしている哲史だったが。


「入学式の日さ、陽介が珍しく大怪我して帰ってきたんだけど」

「あーあーあー…」


俺が切り出したとたん、脱力した声を吐き出しながら、ズルズルと深くベンチに沈み込んで太陽を仰いだ。
なんか思い出したくないことだったんだろうか?





[*back][next#]

11/22ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!