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君だけでいい


「やめてよー。ただでさえマサキちゃん顔売れてんだからさぁ」

「…へっ?俺?」


なぜ!?初耳だ。

中学時代、哲史は絡まれやすい陽介につき合って自ら喧嘩に参加していたし、成績がわりと良かったのに創成に進むと宣言した陽介に、面白そうだからとついていった。

だからこの二人なら話はわかるが。

喧嘩の場面に遭遇しても、痛いのは嫌だからいつも少し離れて傍観してて、高校も電車+バス乗り継ぎで1時間以上かかる進学校に進んだこの俺が…?


数々の出来事を思い返して原因を探ろうと黙りこんだ俺に、哲史は頬を掻きながら言いにくそうに教えてくれた。


「あー…葵 陽介と小田桐哲史を従わせる総司令?みたいな?」

「は?何だそれ」

「マサキちゃん俺らの喧嘩始まるとき、逃げないで近くで見てるじゃん。いっつも腕組んで壁にもたれたりして、偉っそーに指示出ししたりしてさ」

「うん?」





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あきゅろす。
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