君だけでいい
潜入！ヤンキー校
さて、と。
ここからが問題だ。
手には弁当袋とミニ水筒。目の前にはここら一帯で名を馳せる、ヤンキーの巣窟？【創成東高等学校】の校門。
映画やドラマのように荒廃した校舎を想像していた俺の予想に反して、あらゆる窓ガラスは割れ、壁が落書きだらけ…という事はなく。
ちょっと肩透かしをくらった気がした。
そりゃそうか。
生徒の全員が全員ヤンキーって訳でもないだろうし、普通科だし偏差値もそんなバカみたいに低いところではない。
まぁ高いとも言えないけど。
３時間目の休み時間に合わせて来たから、この１０分休憩の間に、誰かに陽介か幼なじみ仲間の哲史あたりを呼び出してもらおう。
校門から中を見渡すと、たった１０分しかない休憩時間なのに、校舎の外に出ている生徒がわりといる。
…見た目アレな方ばっかりだけど。
声を掛ける相手は慎重に選ばないと、ちょっと厄介そうだ。
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