[携帯モード] [URL送信]

君だけでいい



夜中に寝惚けて無意識に解除したのか?

俺は今日創立記念日で学校が休みだし、百合子さんの朝食も昼に作れば余裕で間に合うけど、陽介は俺を起こさずに学校に行ったのだろうか?

いつも朝うちに来て開口一番「腹減った」だの昼は絶対に弁当じゃなきゃ嫌だ、なんてふてぶてしいくせに。


…とりあえず陽介にメールしてみた。


『ごめん。なんか寝坊した。朝飯どうした?』


「あ、やば」


そういえば今は授業中のはず…。
送信してから気がついてしまった。

が、間髪入れずに返事が来る。


『食ってない』


コイツはちゃんと勉強してるのか?


『昼はどうすんだ?』

『気が向いたら買う』


気が向かなかったら食わない気だろうか?
元々は食べることに興味の薄い奴だしなぁ。


――んー…どうするかな。

携帯の液晶画面の時刻を見て思案した。
これから作って、陽介の通う創成東校までチャリで約20分。
昼休みには余裕で間に合う。

どこの高校にも学食や購買はあるだろうが、今日は特に用事もないし食材余ってるし。
散歩ついでに行ってみるか…。

と、普段近寄ることもないヤンキー校にちょっぴり興味もあった俺は、早速弁当作りを開始したのだった。




[*back][next#]

2/22ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!