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君だけでいい



ほんと、妙になついてるなぁ…兄妹みたい。
すごく微笑ましい光景。

でも絨毯も敷いてない床の上で、薄い煎餅布団じゃ凄く固そうだ。
あれじゃ、身体を休められないだろうな…。


節約の為に、小さな錠剤を更に半分に割ってコップの水で流し込んだ。


それから一度部屋に戻って、俺の使ってた掛け布団をそっと掛けようとしたら…


「眠れねぇの?」


……起こしてしまった。


「うん…ちょっと」

「なんかあんなら言えよ」


陽介は上半身を起こして、薄闇の中の俺の様子を伺ってるみたいだった。


こいつが近くにいると、本当に心が落ち着く。

だから…その心遣いに、ちょっとだけ甘えてみていいだろうか?


「じゃあ、ちょっと我儘言っていい?」

「ああ。なに」

「…一緒に寝ない?」

「あぁ!!?」

「うわ!」


驚かせたのか、物凄く大きなリアクションをされて、こっちがびっくりしてしまった。


…そんなに嫌なのか?


「なんか心細くて…いや、やっぱいい!大丈夫」

「…………」


俺はこっそりショックを受けて、掛け布団を手に持ったまま部屋に戻った。





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