[携帯モード] [URL送信]

君だけでいい



「そう」


下から数えてみると5階建てで、デザイナーズマンションみたいにお洒落。

…しかも新築っぽい。

想像してた安アパートとはまるで違ってる。


「うわ。すっご……」


しかもこの距離なら、学校に徒歩でも通えそうだし。


オートロックを開け、エレベーターで最上階に着くと、一番奥の角部屋の前で陽介が立ち止まった。
といっても部屋数が4つしかないので、全てが角部屋ってことになるけど。


「…家賃高そうだな」


…母さん、ここの家賃も仕送りしてくれるのかな?

何気にふと呟いて、母さんの『立て替えた金をちゃんと返せ』という言葉を思い出した。


「そういえば!立て替えって何!?」

「ここの初期費用」

「え!?全額俺もち?」

「それが条件」


…何も言わずに全てを受け入れてくれたと思っていた母の、内なる静かな怒りをひしひしと感じる。

でも俺が金を支払うことになるなら、幾ら同居するにしたって一言相談して安い木造コーポにでもして欲しかった。


果たして50万で足りるんだろうか?





[*back][next#]

3/32ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!