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君だけでいい



「落ち着け。天野がどうした?」


両膝に手を当てて息を切らせている1年に、平澤が冷静に尋ねた。


「拉致られました…!」

「……っ!」


陽介は弾かれたように勢いよく立ち上がった。


「で、おまえらは何してた?」


仁志が詰め寄り、報告した男の顎をガシッと掴む。


「すんません…でも相手がCHAOSのNo3で、俺らじゃとても…うっ!」


言い訳を並べ立てようと試みた1年は仁志の蹴りに吹き飛ばされ、フェンスにぶち当たって気を失った。


「この腰抜けが…!」

「ひっ……」


残り2人に早足で歩み寄ろうとした仁志を、平澤が制止した。


「待て拓海、そいつらの制裁は後だ。相手が河東なら…ヤバいことになる」

「くっ…」


河東はなんでもありの危険な男で、卑怯なやり方で強大なCHAOSのNo3にまで急速にのし上がった男だ。


「天野が危険だ」

「………」


その言葉にぴたっと動きを止めた仁志は、冷静な声で次々と命令を下した。


「…賢悟。俺に手を貸す奴を手当たり次第声かけて集めろ…ギャングでも族でも何でもいい」





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あきゅろす。
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