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君だけでいい



「…やってくれたな」


仁志が屋上の地面に座る陽介を、射抜くような冷たい視線で見下ろす。


「おまえが派手に暴れたせいで、幹部が動いたぞ」


しかし陽介は横柄な態度で足を組み、小馬鹿にしたような笑みを浮かべた。


「手っ取り早くて手間が省けたろ?」

「やめろ陽介!すんません仁志さん、やっぱ俺が…」

「どけ小田桐!」


反省のかけらも見られない台詞に、仁志の横に立っていた本城が激昂して陽介の胸ぐらを掴み、拳を振り上げた。


その時。


陽介の携帯電話の呼び出し音が鳴り、気をとられた本城の手が止まる。


「マサキちゃん…」

「…マサキ?」


画面を確認して呟くと、仁志が片眉を上げて反応した。

しかし電話に出る間もなく呼び出し音は切れてしまう。


――あれから、メールのひとつも寄越さなかったのに。何かあったのか?


「仁志さん!た…大変です…天野がっ!」


そこに屋上のドアが勢いよく開かれ、マサキの見張りに付けていた1年生の3人が飛び込んできた。





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あきゅろす。
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