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君だけでいい



俺は…仁志さんの言いつけをまたも破って、しかも今度は最悪な状況に追いやってしまった。


だけど、幸いなことに今ここには俺と河東しかいない。
外の連中にはたぶんそんなにダメージを食らわなきゃ勝てるかもしれないし、もしかしたら…。


俺は一か八かで河東に立ち向かうことに決め、身体を起こした。


脇腹と頬はまだ物凄く痛いし、肩もやられてるけど…何もしないよりは…!


「ふっ…おもしれぇ。来るか?そのフラフラの身体で」


河東は煙草を投げ捨てると、ズボンの腰の辺りから警棒を取り出した。


――ヤバい…武器まで…


「オラァ!」


俺が怯んだ隙を狙って突っ込んでくる。


「うわっ!」


警棒でいきなり目を突こうとしてきたのを、間一髪でかわした。


こいつは危ない…!

手段を選ばずに確実に俺を殺ろうとしてる。


背中に冷たい汗が流れた。


「人質は丁重に、ってわけにゃあいかねーぜ?俺にはな!」


体勢を整え、またこちらに踏み込んでくる。


怖いけどやけに心の中は冷静で、攻撃の軌道を読んで避けた。


大丈夫だ…見える。





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あきゅろす。
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