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君だけでいい
Dark Side

「ううっ…もう勘弁してくれ」

「絶対もう仁志には歯向かわねぇから!」


目の前に無様に転がっているカス共が、必死になって命乞いをしてくる。

その様子をどこか虚ろな醒めた瞳で見下ろし、陽介は返り血にまみれた手で携帯を取り出した。


「終わった。次は誰を殺ればいい?」

「おまえのノルマはもう終わりだ、こっちに合流しろ。あまり手を広げすぎるな」


――こんなんじゃ未消化だ。まだやりたりねぇ。


やる気を削がれてしまい、チッ、と舌打ちをして通話を切った。


電話の相手は、仁志の片腕として創成東高を取りまとめている平澤だった。


昨日突然仁志のグループ全員が召集され、ストリートギャングチームのCHAOSと戦争をするとの発表があった。

そして陽介に与えられた役目は、CHAOSを下から潰していくことだった。
陽介だけでなく、哲史以外の1年と幹部を除いた2年も同様に動いている。


圧倒的なメンバー数を誇るCHAOSを速攻で雑魚から散らして数を一気に減らして混乱させ、それに乗じて仁志たちがトップグループを叩いて潰す、という作戦だった。



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