過去 「ユウ、バジル帰るぞ」 「かえる?」 部屋から帰ってきた親方様は苦々しい顔をしていた。 『人身売買なんかしたくは無かったが…あの女』 「お母さんがどうかした?」 親方様が驚いたように私を見た。 私はしまったと思って目をつぶった。 「親方様?」 バジルが不思議そうに声をあげた。 「ユウお前…いやまさかな」 『読心術じゃなかったはずだ。』 「読心術って何?」 聞こえるっていうのはどこまでが心でどこまでが発言なのか分からなくなる。 「お前…まぁいいや。」 親方様はそう言って私とバジルを連れて帰った。 帰りついてバジルに私の面倒をきちんとみろよ みたいな事を言っていたのは覚えている。 [*前へ][次へ#] |