君を想う。(MM配信中)
8
まだ病室の外で言い争う声がした。
締め出され安心してたオレだったけど、さっき言ってた言葉を改めて繰り返すとどうやら知り合いらしく。オレは気になって耳を清ませてた。
大佐ってアルが話してくれた大佐? という事は、やっぱりあの男はオレの知り合いで、………。
そう思い、もどかしく無い足を布団の上から擦る。 フッと白い壁が、太陽の光を雲が隠し陰るのを只眺める事しか出来ない。
『… … 』
あ。アルの声が聴こえた。求めていた人物の声に安堵した。あの男が知り合いならアルが何とかしてくれるだろう。
「… ……」
「…… ………」
暫く二人の微かな話声に耳を傾けていた。しかし、それは壁に阻まれ、言葉までは聞き取れなくて。
「帰って下さいっ!!」
ビックリした。アルが苛立った声で……追い返してる?
穏やかではない空気にドアを見張る。
ガチャッと乱暴に扉を開けアルが入ってきた。
「アルフォンス…──」
後ろでさっきの男の声がしたけど、それを無視してバタンッと耳に響く音を発て扉を閉めた。
「アルフォンス…?」
その様子に仰天し、アルの名前を呼んだ。
まだ、アルは扉を自分の体で塞ぎ、侵入を拒んでいた。ドンドンと、向こう側から扉を叩く音がする。
何がどうなってるのか、オレにはさっぱりわからなかった。
next continue‥
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