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君を想う。(MM配信中)



「た‥…大将──?」

「え?」

 オレを『大将』と呼ぶその金の短髪を立たせた青目の男。

「大将っ!!」

 もう一度『大将』と呼び、急に走り寄って来た相手に身構えた。
 看護婦も何事かと警戒している。

「──…!!」

 男に両肩を鷲掴みにされ痛みが走る。一体なんだってんだ?

「やっぱり此処に居た!! 連絡も何も無く消えたから大佐が心配してんだぞ!?」

 巻くし立てながらそう話す男を驚きの色を隠しきれず見遣る。

「つ…っ!
─……っな…んなんだよっあんたいきなりっ!!」

 そう怒鳴りつけると、今度は彼の方が驚いた顔をした。

「…な?

何言ってんだよっ!? ふざけるのもイイ加減にっ──…!!」

 動揺し怒りを露に、オレを揺さぶる。肋から来る激痛に顔を歪め何も言えず只、歯をくいしばる事しか出来ず。
 それに慌てた看護婦が相手を止めに掛った。

「止めて下さいっ!!」

 看護婦の必死に男の腕にしがみつき漸く男から解放された。

「貴方いきなり何をするの! この患者さんはまだ安静にしてなきゃならないのよ!?」

 看護婦の怒声が部屋に響く。
 男は抵抗する素振りをみせたのを構わず看護婦に部屋から追いやる。

「ちょ…、待ってくれ。まだ話が……」

 抵抗虚しく声だけを部屋に残し、病室の扉に因って男とオレはピシャリと音を立てて遮断された。

「何だったんだ?」


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あきゅろす。
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