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君を想う。(MM配信中)



 どのくらい時間が経っただろう?
 やっと泣き止んだ『弟』からは目が腫れてはいたが、自分と同じ遺伝子で構成されていると感じた。
 この少年は確かにオレの『弟』だ。そう確信した。


 それから途切れた記憶を二人でゆっくりと辿る。

「兄さんはエドワード・エルリック、僕は弟でアルフォンス・エルリックだよ。兄さんはいつもアルって呼んでた」
「…アル…?」

 機械のように繰り返すと、アルが笑って言葉を続ける。

「そう、それでね、ボク達は二人でいろんなところを旅したんだ」
「へえ?」

 生まれ故郷の事、オレが国家錬金術師だった事、旅した土地での出来事。幼馴染みがいるとか、大佐とケンカばかりしてたとか……アルは話して聴かせてくれた。

「なんか可笑しいね?
ボク達ずっと側にいたのに」

 どことなく寂し気な言葉だったが、アルの笑顔は明るくて。その笑顔に救われた。

「わりぃ……、何も思い出せなくて」

 そう言ったら、アルは困ったみたいに微笑んで。

「兄さんが無事で良かった‥‥」



 アルの優しさが心に広がって、溶けて‥‥。染みてゆく。



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