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君を想う。(MM配信中)



 ──もうすぐ時計の針は14時を指そうとしている。
 午前中の自分が嘘の様に苛々していた。

 ──…遅い……
 もしかして、オレと弟は仲が悪かったのかも知れない。
 そんな急激な不安が襲う。

 もどかしくて……。
 忘れてしまった弟への恐怖で……。
 いっぱいになってしまった。

 ───会うのが怖い。
 先程まで、期待感でいっぱいだった分突如浮き出たマイナスの感情に押し潰されてしまいそうになる。

 ───コンコン!

 ドアを叩く音に飛び跳ね、顔をドアへと向けた。

「弟さんがいらしたわよ」

 ……その声を聴いた途端、心臓が止まりそうな程高鳴り、ブワッと全身に汗が滲み出た。

「……開けるわよ?」

 看護婦の声と共に扉が外側から開かれた。

「……兄さん……!」

 看護婦の後ろに立っていた少年は、オレを確認すると、途端に走り寄り抱きすくめられた。

「バカ兄っ!! 心配したっ!───心配したじゃないか!!」

 『弟』は痛いくらいの力でオレに抱きつき、膝が汚れるのも気にならないのか、床に膝をつき泣き出した。
 そんな『弟』に……─今のオレはなんて声を掛けて良いのか判らず………

「…ごめん…」

 唯、一言呟いた。
 左手で…恐る恐る頭を撫でた。
 泣きじゃくる『弟』が泣き止むまで、何度も何度も………繰り返し……。



next‥

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あきゅろす。
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