君を想う。(MM配信中)
3
「貴方のご親族が見付かったわよ」
「…え…?」
看護婦の言葉に耳を疑う。
「貴方の弟さんが見付かったの!」
お……と、うと……?
オレ……の?
ポカンとしているオレに、オレなんかより何倍も嬉しそうに笑う看護婦。
一人、現実から取り残されてしまったような気がする。
「今日の午後には此方に来れるそうよ」
午後───。
オレは無意識に時計を見ると、丁度たった今、分針が9時30分を指したばかり。
まだそれまで時間はあるようだ。
看護婦が出ていき、一人きりの病室で……まだ見ぬ弟が待ち通しくて、とにかく落ち着かなくて…。
オレ…変じゃねえかな…。
棚の上の鏡に自分を映し、何度も角度を変え、笑ったり怒ったり…
ベッドのシーツを取替えに来た看護婦に百面相を見られてしまい、今までロクに話もしなかったオレの意外過ぎる姿を真の辺りにした看護婦は途端に大笑いした。
オレが固まって茹で蛸の様に赤面したのは言うまでもない。
クソ…
──でも…もうすぐ…
next continue‥
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