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ツナガリ


「なぜ? 厭なのかね?」

 そんなんじゃない…。

「オレ…、硬いし…こんなの触ったて………きっと‥、つまんない………‥」

 オレの言葉に、驚いたような、困ったような顔でオレを見る。

「……エド……」

 見透かされて困ってる?

 苦しいよ…。ロイ。

 男に産まれて後悔はしてないけど、もし、女に産まれてきていたら。

 こんな気持ち味わなくて…、済んだのに。


 最低だ……。
 こんなことを考えるなんて 母さんに失礼だ………。

 自分の馬鹿さ加減に泣けてきた。

「エド………?」

 ぼろぼろといきなり泣きじゃくったオレを、ロイは抱き締めてくれた。

「何を悩んでいるのかと思えば………」

 明らかに厭きれたような溜息を吐くロイを、普段なら怒鳴りつけるけど……。
 皮肉めいた口調とは裏腹に、背中を叩く手の動きは優しくて………。

「気付いてやれなくてすまなかった。
君は意外に溜め込むタイプだからな……」

 嗚咽を洩らしいつまでも泣いてるオレを押し倒し、艶めかしく笑うロイ。

「しかし…、まさかそんなことで悩んでいたとは。
どうやら私の愛し方が足りなかったようだね……」

「……!!」

 いきなりの激しい口付けに、息継ぎすら出来ず、もがく。

 涙も止まらないのに、口内を犯され……、苦しくて……、ロイの髪の毛を掴み引き剥がそうとした。

「う………」

 力一杯引っ張ってる筈、ロイだって、相当痛い筈だ。
 それなのに、ロイの身体はビクともしない。


 ……こんなロイは知らない……


「私が、どれだけエドを愛しているか、存分に味あせてあげよう……‥」

 いつまで続くのかと思うような陵辱的なキスから、漸く開放され、オレは、ただただ喘ぐような呼吸を繰り返し…、虚ろに映るロイの眼は獣のように鈍く光っていた。



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あきゅろす。
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