878.雨の向こう側で
17
朝目覚めると、私の腕の中にエドワードが眠っていて、最初は驚いたが、その安らかな寝顔を見ている内に自分の気持ちまで安らぐのを感じ、結局時間ギリギリまで眠るエドワードの横にいた。
出勤すると、待ち構えて居たのだろう。ヒューズが私を見付けるや否や話掛けてきた。
「おう、来たか」
「おはよう」
いつもの様にヒューズと挨拶を交す。ヒューズが、ジャレ合う様に肩を抱いて来たかと思うと、改まって周りには聞こえぬ声量で言葉を続けた。
「ところで……」
そこまで聞くと、
「解った、"ソレ"は昼休みにでも聞こう」
私はすんなりと言わんとする事を理解し、そう応えた。
ヒューズの顔色は晴れやかだ。きっと、捜索願い辺りでエドワードの身元が割れたのだろう。
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