505.オールスター!?E.E.争奪戦!
なな
「オレも少尉好きだぜ!」
満面の笑みで答えたエドワードにハボックは胸をときめかせる。
「ほ…、本気か!?大将!!」
ハボックの心拍数は、既に異常な数値を示していると思われる。
「あ…、あぁ、いつもハボック少尉には世話になってるし…」
そこまで言うと、エドワードは顎に手を添えて、ちょっとだけ考える風にしてから、またハボックに、笑顔を向けた。
お年寄りから幼児まで、いや、猫や犬でさえ、一瞬で心奪われる必殺!『エンジェル スマイル』!!
ハボックの血圧が上がり、思わず鼻を押さえた。
鼻血を堪え、ドキドキしながら答えを待つ。
「兄貴みたいだ!」
「……へ…?」
………兄貴!?
―ピシッ……! ピシビキビキッ!!
エドワードの残酷な言葉に、ハボックのハートは砕け散り、がっくりとその場で膝を突いた。
「少尉??」
「……………」
心配して近付いてくる足音がハボックの耳に届く。
ハボックの軍人として養った勘を信じれば、エドワードはもう、手を伸ばせば届く距離にいるだろう。
一瞬、無防備なエドワードを捕まえてしまえ、と、悪魔が囁く。
しかし、ハボックの手は動かない。
想い人の眼中にさえ入っていなかった事、ハボックはショックからくる、脱力感で、すっかり戦意喪失していた。
「俺、リタイアすんわ……」
そのまま立ち上がり、エドワードに顔を見られないよう踵を反し歩き出した。
そんなハボックを見て、エドワードは、頭上にはてなマークを浮かべつつも、追われる人間がひとり脱落したと、素直に顔を弛めていた。
ハボックを見送った後、エドワードはまた、身を隠す場所を探すため移動を始めた。
「さて……どうすっかな…」
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