505.オールスター!?E.E.争奪戦!
さん
兄弟喧嘩を、黙って眺めていたハボックはふと思った。
「なあ、大将さ、彼女とかいねぇの?」
ピタッとエドワードのフォークが止まる。
ロイもリザも耳をダンボの様にピクピクと動かし、エドワードの答えを待つ。――と。
「エドワード・エルリック!お主まさか不純異性交遊など……!」
――ドンッ!…ドンドンッ!!
「アームストロング少佐、お静かに!」
リザが放った三発の弾がアームストロングの体を縁取るように壁に穴を空ける。
「…で? どうなんだね?鋼の。まさかその歳になってまだ誕生日を過ごす相手もいないのかね」
今度はロイが体を乗り出し興味深々に聞いてくる。
隙あらば取って美味しく召し上がられそうな勢いである。
「………いるよ………」
「まさか――!! それはドコの誰だねっ!!」
「大将!?マジかっ!!?」
「いかんっ!いかんぞっ!!エドワード・エルリック!!」
「兄さん!? ボクじゃないの!!?」
同時に詰め寄られ、たじろぐエドワード。だが、さらに拷問は続く。
「エドワード君、答えなさい」
銃口を向けるリザの眼は本気だ。――――コ……コロサレル…………!!
エドワードはゴクッと咽を鳴らす。
「……………………アル」
ポソッと微かな声で答える。
――そういう意味じゃねええぇぇ!!!!!
一同は声にならぬ声を同時に上げる。
「たまには違うヤツと過ごしてみたら楽しいぞ!? 俺とか!」
ハボックはエドワードに恋人がいない事を確認すると強気に押す。
「ちょっと待て!!ハボック!!抜け駆けは許さんぞ!!」
ロイも負けじと立ち上がる。
「兄さんはボクと過ごすんだよ、ねっ!?兄さんっっ!!」
こいつらマジでヤバイ…!!
身の危険を感じ、ゾワゾワと鳥肌をたてる。なんとか、こいつらから逃れなくては…、脳をフル回転させ、必死で逃げ道を考える。
視線の端にはリザが映る。そうだ!中尉ならなんとかしてくれる!そう確信した途端―――
カチャリと持っていた銃に弾を込める。
助けてくれるのか!?中尉を味方に付けたらこっちのもんだ!!
リザは味方だ!そう確信したエドワードは瞳を輝かせ、リザを見つめる。エドワードにはリザが女神に見えた。
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