505.オールスター!?E.E.争奪戦!
に
「ちわー!!」
「こんにちはー」
二人は元気良く執務室の扉を開け放つと、そこには、マスタング大佐を筆頭に、ホークアイ中尉、ハボック少尉、アームストロング少佐の面々。
「あら、エドワード君にアルフォンス君、いつこっちに?」
「やゃっ!! エルリック兄弟ではないか! 久しいな!」
二人を見付けるや、突進してきたアームストロングがエドを掻き抱く。
「ぎゃあぁあぁ!!」
この世の物とは思えぬ雄叫びを上げる兄を尻目にアルフォンスは談笑を始めた。
我が身を危険から避ける為、兄には尊い犠牲になって頂く事にした。意外と腹黒い弟である。
「せっかくだ、お茶でもどうかね?」
ロイはサボリの口実が出来たと嬉しそうに提案してきた。
「それ、イイッスね!」
「え? 大佐の奢り??」
「我輩もご一緒しましょう」
「……中尉、良いんですか?」
チラリとリザの顔色を伺うアルフォンスに、リザは上司のサボリ癖に呆れたようにため息を交じえ肩を少し上げた。
「もうすぐお昼ですし、まぁ、良いでしょう」
―――と、言う訳で皆で、ハボックお薦めのイタメシ屋でランチを取ることになった。
一通り食事が済むとエドワードはデザートにショコラケーキを頼んだ。それを見ていたアルフォンスは、自分が何か忘れている気がして、首を捻る。
―…何だっけ??
―――――――――!!
暫く考え込んでいた、アルフォンスは勢い良く立ち上がり叫ぶ。
「明日、兄さんの誕生日じゃない!?」
………………
いきなりのアルフォンスの奇妙な行動に唖然とする一同。
一時の沈黙を破ったのはエドワードだった。
「そーだけど、イキナリ何だよ?」
ムッとした顔を向ける兄に弟はシマッタと思ったが、時既に遅し……。
エドワードの中で、誕生日=歳を取る=成長する=背が伸びる!!! という不確かな方程式が確立していた。その記念すべき誕生日を忘れていた薄情な弟に怒りが込み上げてくる。
「……や…、別に、忘れてた訳じゃ…………」
ヒドロモドロに弁解するアルフォンスだったが、先程の動向を見ていれば忘れていたのは一目瞭然。
「アルが忘れたんなら、それで良いんじゃねぇ? どうせ、オレの誕生日なんてその程度だよ」
すっかり機嫌を悪くしたエドワードは、届いたショコラケーキをガジガジとフォークで突っ突いて崩していく。
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