505.オールスター!?E.E.争奪戦!
じゅうよん
「漸く見付けたぞ! エドワード・エルリック!!」
げっ!
心から厭そうな顔をして、エドワードは振り返る。
やはり、後ろに居たのはアームストロングだった。
「さぁ、エドワード・エルリック生誕の日を、我輩と共に盛大に祝うとしょう!」
マッスルポーズを決めながら、つぶらな瞳をキラキラと輝かせエドワードを見つめる。
「ウゼェ…」
エドワードのボヤキは、残念ながらアームストロングには届いていないようで、まだアームストロングは、思い思いのポーズを決めていた。
その楽しそうな様子に、この場から逃げたいと、がっくりと肩を落とす。
ピーンッ
エドワードは、グッドアイデアを思い付き、にやり。
「いや〜、少佐ってホンット、イイ体してるよなぁ」
「そうであろ〜、そうであろ〜! 日々鍛え上げておるからな!」
「うんうん、その胸板の厚みなんて、オレかなり憧れちゃうよ!」
誉め称えられ、気を良くしたアームストロングは、これでもかっと、ポーズを変える。
「少佐の後ろの筋肉もぜひ、見てみたいなぁ!」
「そうか、そうか! よしっ! とくと見よ!」
背中の筋肉を披露している間に、素早く自分そっくりのダミー人形を錬成し、今まで羽尾っていたトレードマークの紅いコートを人形に着せる。
そのまま、そろそろとアームストロングから逃れた。
「すっげぇ〜! 無駄なく鍛え上げられた筋肉! もうこれは芸術だな!」
ダミー人形は賛美の言葉を喋りだす。
「はっはっはっ! お主も漸く筋肉の美しさに気付いたかっ!?」
「すっげぇ〜! 無駄なく鍛え上げられた筋肉! もうこれは芸術だな!」
「…ん?」
「すっげぇ〜! 無駄なく鍛え上げられた筋肉! もうこれは芸術だな!」
「………………」
漸く騙されていた事に気付いたアームストロング。
「我輩を愚弄するとは…!
エドワード・エルリックもなかなかやりおる…!」
アームストロングから、うまく逃れたエドワードは、高い塀に囲まれた路地を歩いていた。
「ここまで来れば安心だろう」
「……そうかしら?」
「―…!?」
突然の声に心臓が止まりそうな程ビックリして、振り返る。
「中尉!! いつからそこに!!?」
「あら? ずっと居たわよ?」
にっこりと笑うリザ。
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