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505.オールスター!?E.E.争奪戦!
じゅうさん

 ラストのその余裕はどこから来るのだろうか。まだ、体の自由を奪われたままだと言うのに…。

 エドワードは、ちらりとラストを一度みて、思い出したように口を開いた。

「あ〜、いけね。そういえばオレ、鬼ごっこの途中だったんだった」

「多分、さっきのエドワードの錬成反応で、みんなここに向かってると思うけド?」

「…じゃあ急いで逃げねぇとな」

「え? ちょっと!! 鋼の坊や!?」

「じゃあな、ラスト!」

 にっこりと不敵に笑うと、エドワードは手を振った。

「ちょっと!! 下ろしなさいっ!!」

 ラストの叫び声を無視して、エドワードは裏路地を走り出した。
「アッ、待ってヨ〜!」

 その後を追い掛けるリン。

「付いてくんなっ! お前にはやる事があんだろーがっ!!」

「フー達がやってるから平気だヨ」

「自分の国より、鬼ごっこの方が大事なのか!?」

「それとこれとは別問題だヨ。
エドワードは、俺のトコに嫁いでもらわなきャ
これはその為の第一歩なんダ」

「オレは男だっ!! アホか、てめぇは!!」

 走りながら、大声で怒鳴り、後ろを振り返ると、リンがもうすぐ追い付きそうな位置にいる事に気付いた。

「ヤベッ……!」

 加速して、距離を広げてから、振り向き、立ち止まり、リンに笑い掛けた。

「エドワード! もしかしてその気になってくれたのかイ!?」

 嬉しさのあまり、リンは両手を広げて駆け寄ってきた。

「……んな訳ねぇだろがあぁ!!!」

 同時にひとつ手を叩き、地面に触れると、リンを隔てる高い壁を作り出す。

「そんなァ〜!」

 壁の向こうから、リンの涙声が聞こえてきたが、エドワードはそのまま表通りへと歩きだした。

「…散々だ…」

 今まで必死に逃げることだけしか頭に無かったが、冷静になって考えてみると…
 誕生日を一緒に過ごしたい人物は、もう決まっていた。

 だが、その人物は、まだ捕まえに来てはくれていない。

「クソ……!
オレが誰かに捕まっちまっても良いのかよ…?」


 誰もいない事を確認すると、表通りに出る。体力温存の為、ゆっくりと歩きだす。




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