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初恋
1.




窓を叩く雨粒が
まるでオレを責め立てているように…激しく音を発てる。


等価交換



オレのならなんでもくれてやるよ。
でも…アルだけは…返して貰う!!





もっと知識が欲しい!

アルを元に戻す為の知識を…!




―――――――





蒼い軍服を纏った漆黒の髪の男がオレの望みを叶える答えを持って訪ねてきた。











あぁ、いいさ。











狗にでも何でもなってやろうじゃねぇか……!
















「や 鋼の」



その声に 振り向いた、国家錬金術師「鋼の錬金術師」エドワード・エルリックはあからさまに敵意を向ける。

「あれ? 大佐! こんにちは」
ゴツイ鎧に不釣り合いな幼い声…事情を知らない者なら必ず違和感を感じ眉を潜めるであろう…
事実それが鎧に魂を宿した、エドワードの弟、アルフォンス・エルリックの悩みである。

あからさまに嫌そうな表情をするエドワードを見ても動じず人の良さそうな笑顔を造り続けるのは、エドワードの上司、「焔の錬金術師」ロイ・マスタング大佐。

「なんだね? その嫌そうな顏は?」

にやり、と不敵な笑みを浮かべるロイに


「くあぁぁ!! 大佐の管轄なら放っときゃよかった!!」


遠慮なく悪態をついた。





「…相変わらずつれないねぇ…」




エドはその言葉に『淋しさ』を感じ取り…嬉しくなって…ロイを見上げた。




しかし、次の瞬間…ふっと視線を戻し・いつものくそ生意気なガキに『戻す』









エドのそんな想いはつゆ知らず…見つめられている事も知らず、もうすでに(いや…始めから知れない)先程まで「青の団」に制圧されていた列車に目を向けていた。









…解ってるよ…



あんたは…オレの事なんて見てない…っ











だからオレはあんたが嫌いなフリをする



この想いを…胸にずっと秘めている感情が…、思い掛けず溢れ出さないように…


あんたに勘付かれないように


注意深く、自ら終止符を打ったんだ…




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あきゅろす。
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