びーえる改
ドレミを食べたの(リボコロ)
※ボカロパロディ
※マスターリボ×ボカロコロ
「なあ、マスター」
歌う為に造られた俺の存在を成り立たせているのは勿論、歌うこと。言葉を知らなかった俺も今まで沢山の歌を歌ってきて言葉を沢山覚えた。それでも意味を知らない言葉は多くて。
今日もリボーンに渡された曲の歌詞を見詰めながら気になった言葉が見付かった。
「すき、って何だ?」
「あいしてる、って何だ?」
「さよなら、って何だ?」
切ないラブソングを綴ったその歌詞の意味を聞けば聞く程、リボーンは少しだけ哀しそうに俺を見詰めた。
物知りなリボーンはただただ、苦しそうに笑うだけで結局何も答えてくれなかった。言葉も心も知らない俺は、その時ばかりはマスターの現実世界で何かあったのだろう、とわかった。
俺の容姿プログラムはリボーンの恋人をイメージして造られたものだ。この透き通るような金髪も、大空のように綺麗な青い瞳も、顔立ちも全て全て全て、そのリボーンが愛する人を型どった姿。
俺にはそれが少し悲しいようで、切ないようで。プログラムにも解らないこのもやもやした胸が苦しい感じが嫌いで。逃げるように今日渡された曲を歌いまくった。
ありがとう、ありがとう
愛する君へ
たとえ遠く離れた光の場所へと
いってしまおうとも
俺は永遠に君を
愛することを誓おう
悲しくないよ、だから泣かないで
待ってるから、君を
だからその時までの
さよなら
また逢いましょう
歌ってたら眼から透明な液体が溢れてきた。其れが頬を伝い顎から垂れる。確か此れは"なみだ"ってやつだった気がする。なんで?俺には涙なんて出ない筈なのに。途端に頭が痛くなった。
「aaaAAAAaAAaaaaAAAAA!!!!」
「コロネロッッ!?」
何?なんなんだ?頭が、プログラムが。何か入ってくる。嬉しい?悲しい?寂しい?怒り?憎しみ?愛しい?どんどんどんどん、溢れてくる感情が抑えられない。そして記憶。リボーンとの暖かい記憶が走馬灯のように駆け巡る。誰、誰の記憶なの。
沢山、沢山"なみだ"を流しながら叫んだ。声でも音でもない声で叫んだ。ああ、そうか。これは現実世界のコロネロの記憶だ、感情だ。俺は本当の、コロネロに生まれ変わるんだ。
「大丈夫か!?コロネロ!?おい!」
「………リボーン、」
急に静かになりがくんと俯く俺の言葉が響く。リボーンは何か気付いたように顔に驚きの表情が顕になっていた。そして大切な記憶が、人が頭に過る。
「…コロ、ネロ?」
「……やっぱり、俺はお前が居ないとダメみたいだ。独りで待つのは、怖い」
「………。」
「プログラムの中じゃ、お前に触れられないけど…話す事は出来るから…だから。」
何かとんでもない事をやってしまった子供のように震えが止まらない。俺は、帰ってきた。歌うプログラムとなって、生まれ変わった。本当のコロネロとして。また涙が溢れてくる。会いたかった、逢いたかったんだ。好きだから、愛してるから。今なら意味なんてわかる。でも現実世界で俺は死んでしまったから。
「また、逢えたな。」
「……ああ。」
「おかえり、コロネロ。」
これはカーソルなのか。まるで指みたいに暖かく涙を拭うリボーンの言葉に救われた気がした。いや、救われたんだ。
そして俺は今までプログラムが出来なかった思い切り感情を込めた笑顔で言った。
「ただいま!リボーン!!」
ドレミを食べたの
(俺は帰ってきた。愛する君に逢いたくて、待ちきれなかったの。寂しくて、怖かったの。俺は歌った。それはとても愛しいラブソング。)
end
ボカロパロディでした。何となく感動を目指したんですが…ダメダメですね(・ω・)
そうなんです、現実世界でリボ様とコロたんは死別してしまったのでした。
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