[携帯モード] [URL送信]

びーえる改
君の幸せを望む(リボコロ)



「良かったのか?」



本日何度目か解らないこの問い掛け。意外にも心配性な彼の瞳を見詰めてこれまた何度目か解らない頷きを返した。俺の恩師が受ける筈であるアルコバレーノの呪いを代わりに俺が受けると決意したこと決めてから数日。そしてそれを幼なじみに打ち明けてからもうそれは呪いを受ける前日にまでなった。明日、今目の前にいる彼と俺。そして他の選ばれし5人はアルコバレーノの呪いを受けることとなった。怖くないわけじゃない。正直言えば凄く不安だし、怖い。今の日常から離れる。海軍も辞めて、様々な人との関係も断ち切った。それは凄く辛いことだったが恩師が呪いを掛かって一生女性としての幸せを掴めなくなるよりは自分が代わりに受けて普通じゃない生き方をした方が全然マシだった。


「俺は、ラルに口じゃ表しきれない程の恩があるんだ」

「ラルには良い人を見つけて幸せになってほしい」

「俺は幸せなんていらないから。一生呪いを背負う覚悟は出来てる」

「だから俺は…、海軍での名誉も、仲間も、全部置いてきたんだ…っ?」


気付けば彼に抱き締められていた。俺の身体も、心も優しく包み込むように抱き締められていた。もう大丈夫だ、と抱き締めたまま頭を撫でる彼にぷつんと何かが切れる。そしたら涙が止まらなくて。ふるふると震えながら隠すように彼の肩に顔を埋めた。怖い怖い怖い。呪いが怖い。背負う責任が重たい。俺は耐えられる?耐えられなかったらどうすれば?糸が切れた途端に次々と巡る思考。そんな俺に彼は只ひたすら俺を抱き締めて頭を撫でながら大丈夫、大丈夫と繰り返した。


「大丈夫、だ」

「……」

「約束するから、」

「…何、を?」

「此れから先俺がお前を幸せにしてやるから」


彼のはっきりとした口調のこの言葉に不思議と俺は安心していったのだった。
そしてこの言葉の意味を知ったのは呪いを受けてからの事である…。









君の幸せを望む、
(怖い時は怖いと言って?俺が抱き締めてあげるから。そして幸せが欲しい時は言って?俺がキスをしてあげるから。)
 
 
 
 
end






かなた様リクでした(^3^)/
シリアスとのことで一緒に書いてあった簡単なシチュエーション…如何でしたでしょうか?気に入っていただけたら幸いです(笑)
呪いなんて怖いですよね……あ、この時2人は付き合ってません←
てか軽くラルコロ入ってすみませんっしたー!!

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!