びーえる改
幸せのメロウラヴ(リボコロ)
それは恋人が庭の花に水やりをしている時だった。機嫌が良くて、鼻歌しながらシャワーの水を花にやっていた。
「よく咲いたなー、コラ」
語尾に音符が付きそうな程の声色で話し掛ける。はたからみればくすくすと笑われるのかも知れないが俺から見ればなんかもう可愛すぎて仕方無いと思う。ああ、後ろから抱き締めたい。そんなこと考えながらエスプレッソを飲みその可愛い恋人のガーデニング姿を堪能していた、が。
「…ッ!リボォオン!!!!」
「…なんだ?」
ふと視線を新聞に移した瞬間響き渡る叫び声。驚きのあまり逆にポーカーフェイスになってしまう程だ。
シャワーを投げ捨て俺に飛び付くコロネロ。なんだ、なんか今日何かあったっけか。誕生日等とっくに過ぎている気もするが。俺にしがみついたまま胸板に顔を埋める恋人にどうかしたのか聞いてみればびっ、ととある方向を指差した。そこを追い掛けるように視線を移動すればああ、納得がいった。
「蜂だな」
「なんでそんな普通なんだよ!!ひい!寄るな撃つぞバカ!!」
「ファルコ食えないのか?」
「食えるかぁぁあ!!!!」
そう、そこには様々な花の蜜に誘われた蜂だった。数匹いたならまだしも1匹ではないか。しかし少しぶんと近寄っただけで俺を抱き締める力を強くする恋人がとてつもなく可愛かったので理性を保ちながらよしよしと抱き締め返し頭を撫でてやる。こんな恋人等滅多に見れないのでじっくり味わなければ(飛んだSっ気なのは承知)。
「うう…早く家に逃げたい…」
「そーだな…刺されたら危ねえ」
このようなサプライズを用意してくれた蜂に感謝だがもし俺のコロネロに針を刺したりでもしたら世界中の蜂を駆除しに行こうと思う。裾をぎゅ、と掴み消えそうな声で言う恋人に今にも切れそうな理性のままひょいと姫抱きにして家に入った。
それからこんな可愛い恋人に対し理性を保つことなど俺には出来そうにない。
幸せのメロウラヴ
end
ただ単に奏の庭の蜂が怖かったから蜂ネタ。コロたんが蜂怖いだったらめっさ可愛いと思う。蜂食べれる鳥いないのかな(´・ω・`)
お題提供はChien11様。
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