SS
感謝感激☆雨のち、快晴A
「ナルトぉーっ、
くつがかたっぽない!」
のんびりとした休みの午前中、一人で遊びに行こうとしたサスケの声が玄関からすっ飛んできた。
「昨日はいてたろー!」
「わかんないからきてぇ!」
しかたないなぁと重い腰を上げて、ソファから立ち上がった。
「どこやっちゃったんだよ」
「ここでぬいだもん」
そいやー昨日保育園から一緒に帰って来た時はここでちゃんと脱いでた。一応、玄関中探したけれど何処にも無い。
「しかたねーからとりあえず今日は違うのにしろよ」
「いやぁ!これがいい!」
「でも無いんだぞ?
どうやって歩くんだよ」
「やだ!」
すっかりむくれたサスケは真新しい青い靴を抱き抱えたまま、座り込んでしまった。
こういう所はホント頑固で困る…。
しかしサスケが頑なな時には必ず理由があるから、ゆっくり聞いてやんねーと。
「なんで他のじゃいやなんだよ?」
「…だって、かってくれたから…」
「?」
「ナルトがかってくれたんだもん…」
そういえばついこの間、セール中だった靴屋でたまたま買ってやったんだ。
うちはとてもじゃないけど金持ちじゃねーから、ろくにサスケに何か買ってやれてなかった。
だからたまにはと思って買ってやった靴だったのに。
まさかそんなに大事にしていたなんて。
「靴かせよ」
「?」
片方だけの靴をサスケから取り上げると履かせてやった。
そうして、そのまま抱き上げる。
「今日だけ、俺が靴の代わりしてやるってばよ」
「?」
「どこ行く約束だったんだっけ?」
「……カカシんち。
いぬみせてくれるって」
「カカシ先生んちかー」
なんだ、すぐ隣じゃないか。
勢い良く玄関のドアを開くと、眩しい光が差し込んだ。
「ナルト!テレビ!
けしてないよ!」
「ああやべっ」
じたばたするサスケを落としそうになった時だった。
「おーいお二人さんどっか行くの?」
「カカシ先生!」
「カカシ!」
「それにはこれが必要でしょ?」
そこに翳されたのは、片方だけの青い靴。
無くなったはずのサスケの靴だった。
「くつあった!」
「ごめんねー。
うちの犬が持って帰って来ちゃったみたいで」
「見つかって良かった!
な、サスケ」
「うん!」
☆☆☆☆
お騒がせ先生登場(笑)
トビウオちゃんへ。
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