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なるとこばなし。
ステキなおよめさん
「なーサスケー"ステキなお嫁さん"ってどうやってなれんの?」
「……はぁ?」


たっぷり一分間、サスケが驚いた顔をした。
その後、思いっきり馬鹿にした顔になる。


「ウスラトンカチが…」


溜息混じりに呟いた。
そうしてまた、早足で歩き出してしまう。
俺は慌てて駆けて、サスケの耳元に寄った。


「なぁ!どうしたらなれるんだってばよ!?」
「うるせぇ、何でそんな事聞くんだよ」
「昨日さ、近所の子供等が言ってたんだよ。

ステキなお嫁さんになれれば、

幸せになれるって」


あの子達は確かにそう言って、楽しそうに笑っていたんだ。

サスケはまた一段と呆れた顔になって、俺を見た。


「"お嫁さん"ってのは、結婚しねぇとなれねぇんだよ。
しかも、なれんのは女だけだ」
「なんで?」
「知るか!そう決まってんだよ!」


欝陶しそうに、近寄った俺をのけた。


「なんだ〜、つまんねぇの」
「何が」
「俺、サスケをお嫁さんにしてあげようと思ったんだってばよ」
「はぁっ!?」


「だって、
俺、サスケを幸せにしてあげたかったんだ」


でっかい目を更に見開いてこっちを見るサスケの顔が少し赤く染まって、ふいっとそっぼを向いた。


「恥ずかしヤツ!」


俺を置いてずんずん先に歩いてしまう。
慌てて俺は後を追った。すると、少し先にいるサスケが俺を振り返る。

口が少し動いて、聞き取れない位小さい声が俺に落ちた。



(ありがとう)



嬉しくて地面を蹴って駆け出す。
隣に並んで、笑った。
そうしたら、サスケはむすっとしたケド、照れてるだけだって俺には分かるから。

そっと手を延ばして、指を繋ぐ。

払われない嬉しさと、
少しの温もりに心が暖かくなった。






それは今はもう、昔。

幸せにしてあげるんじゃなくて、今度は、

一緒に幸せになろうと誓う。


帰って来たら、
そうしよう。

きっと2人でなら、

幸せになれるから。


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あきゅろす。
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