浮気×健気(リクエスト小説)
18
「さっき、亮太さんに会った。…女といたよ」
「…知ってる。あいつの浮気なんて今に始まったことじゃないだろ?そんなこといちいち…」
「なんでだよっ!!」
俺の言葉に宏樹はまた声を荒げる。
「おかしいだろ!?兄貴と亮太さんは付き合ってるのに!なんで我慢する必要があるんだよ!」
「落ち着けって!」
「あいつ最低だっ!兄貴のことわざと傷付けてんだよ!楽しんでるんだよ!」
「っ…!」
楽しんでる…
あいつが浮気する理由は、別れたいからじゃなくて
苦しめたいから…?
「それでも…俺は、亮太を嫌いになれないよ」
「っ、なんでだよ…っ」
とうとう宏樹は泣いてしまった。
「…宏樹」
見ていられなくなり、声をかける。
「…じゃあ、明日…亮太と話する」
「…別れる気はないんだろ?」
自嘲気味に笑う宏樹。
「ごめん…でも、話し合えば亮太だってわかってくれるかもしれないだろ?」
「バカ野郎…っ」
宏樹は俺に抱きついて更に泣いてしまった。
あんなやつのどこがいいんだ、とか、傷付くのは兄貴だぞ、とかしゃっくり混じりでずっと言われた。
心配かけて悪いとは思ってる。
でもさ、それでも好きなんだよ。
仕方ないだろ…?
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