浮気×健気(リクエスト小説)
13 side:宏樹
「おい宏樹、次お前だぞ!」
友人の一人がマイクを渡そうとしてくる。
「いや、俺いいや。とばして」
「はぁ?お前全然歌ってねーじゃん!」
文句を言ってくる友人を一瞥して、ため息をつく。
今、家には兄貴と亮太さんがいる。
それも、二人きりで。
別に、兄貴が男と付き合っていても文句はない。
少し吃驚したが、兄貴が誰を好きでいようが自由だろうと思い、応援することにした。
でも…
亮太さんだけは駄目だ。
あの人は兄貴を傷付けるばかりで、幸せになんてしてくれない。
何度別れろと言ったことか…。
でも兄貴は大丈夫だと笑いながら言うばかり。
全然大丈夫そうにはみえないけど。
今も、亮太さんのせいで嫌な気分になっているんじゃないかと心配で、カラオケどころではない。
「俺、トイレ行く」
ちょっと電話かけてみよう。
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