タイトル未定 2 「はじめましてっ、五十嵐千里です!よろしくお願いします!」 転校初日の自己紹介。 人前で喋るのは苦手だけど、大きな声であいさつをする。 すげー、転校生!?とか、よろしく!という声があがり、ほっとする。 先生の指差す席へと向かう。 窓際の一番後ろの席。 だから、隣の席の人は一人だけだ。 「隣は学級委員の黒瀬君だから、わからないことがあったらきいてね。」 「よろしくね!」 先生がそう言うと、黒瀬君が挨拶をしてきた。 僕も挨拶をしようと、彼の方を向く。 「うわ…」 黒瀬君は凄く格好いい男の子だった。 思わず声を出してしまう。 「?五十嵐君、どうしたの?」 黒瀬君が不思議そうに僕を見る。 猛烈に恥ずかしくなり、下を向く。 「いやっ…あの、格好よくて…びっくりして…」 素直にそう言うと、黒瀬君はクスクスと笑った。 「そうかな?ありがとう」 それから、僕と黒瀬君が仲良くなるのに時間はかからなかった。 黒瀬君は人気者なのに、いつも僕の所に来てくれた。 なのに… いつからだろう。 それが変わってしまったのは。 [*前へ][次へ#] [戻る] |