俺は弟が大嫌い。番外編(過去) 3 「あ〜やっと終わったぁ!くそつまんなかった〜!!」 授業の終わりの鐘が鳴った途端、俺にそう言ってくる友達。 ちょ、ちょっとやめてよ。 先生がこっち見てる… 「今日弟いねーんなら、一緒に帰んね?」 「うん、いいよ」 俺がそう返事をすると、友達は嬉しそうにランドセルを持って立ち上がった。 「文弥と一緒に帰るの初めてだな!」 「そうだな」 そんな会話をしながら昇降口を通り抜け、校門に向かう。 「文弥って、いつも弟と一緒だよなぁ。たまには遊ぼうよ!」 「弟を置いていくのはちょっとなぁ…」 「弟も連れてくればいーじゃん!この間さぁ、俺らスッゲーいい場所見つけてさ!そこ秘密基地にしたんだよ!」 「へぇ…いいなぁ」 「だろだろ!?弟も一緒でいいから今度…」 「兄さん」 友達の声を遮り、聞き慣れた声が耳に入る。 門の前に、智樹が立っていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |